かつて深い山岳信仰を集めた蔵王。
今も蔵王の山々には、災難よけ、諸願成就の『蔵王地蔵尊』、家内安全・商売繁盛の『蔵王大黒天』、不老長寿・水の神の『蔵王大権現』の三神が祀られています。
蔵王大権現は、平成14年(2002年)、蔵王スカイケーブル中央高原駅前に、山形市宝沢(蔵王口)に鎮座する蔵王大権現の礼拝所として建立されました。(像は昭和47年(1972年)開眼)
蔵王大権現の躍動する勇猛無双な姿と三眼怒髪の大忿怒相は、どんな悪魔をも降伏して、平和を招来する象徴とし、更に、農耕をはじめ諸産業の頼もしい水の神として慕われ、尊敬されております。
● 例大祭は毎年8月8日です。
蔵王大黒天は、昭和55年(1980年)、蔵王中央ロープウェイ鳥兜駅・鳥兜山頂展望台に、蔵王温泉の商売繁盛と観光客の旅の安全を願い建立されました。
西暦110年頃、日本武尊の東征に従った吉備多賀由が、矢の毒を癒しているうち、温泉を見つけて入浴したところ、たちまち全快したので、日頃信仰している大黒主命のおかげと、蔵王山頂にこれを祀ったと伝えられています。佛教の大黒天が、後に日本神話の大国主命と同一視され、七福神の一神として信仰されてきました。発見者の名をとって多賀由温泉といわれ、その後高湯温泉に変わり現在の蔵王温泉になりました。
● 例大祭は毎年10月5日です。
蔵王地蔵尊は、安永4年(1775年)、蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅東約100mに、諸願成就・災難よけとして宝沢の庄屋によって、37年もの長い年月をかけ建立されました。
高さ2.34m、肩幅1.2m、膝幅1.8m、台座の高さ0.34mの坐像で、安山岩でできたお地蔵さまです。
●大祭は毎年5月24日(春季)と9月24日(秋季)です。